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「ピンポーン」
「たすくちやん、出てくれる? おばさん、今、手が離せないの」
「わかりましたー」
佑はインターホンに出た。
「宅配便です」
「ご苦労様です。今行きまーす」
アマゾンの箱を受け取った。来た、来た。
急いで、自分の部屋に行った。
よし、何とか間に合った。見習い僧仲間の友だち二人から、今度の日曜日の合コンに誘われたが、外に着て行くものがろくにないので気が引けていた。たまにはいいじゃないか、と自分に言い訳して、ちょっと無理をして派手目のシャツを購入した。さっそく着て鏡に映してみようと、アマゾンの箱をビリビリと破って開けた。
「うわっ!」
目が点になるって、こういうことか! 佑は思わず自分にツッコミを入れた。
目に入ったのは、何と、お揃いの真っ赤なブラとショーツのセットだった。しかも、ワコールだから高級品だ。
どうして、という言葉が、頭の中を駆け巡った。こんなものを買った覚えはまったくない。
ひょっとしてと、丸めて捨てた宛名書きを開いてみた。そこには、「和田佑」ではなく、「和田祐一様」とあった。和尚の名前だ!
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