目が醒めた

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目が醒めた

ある日あたしは 目が醒めた ずっと闇夜を 漂っていて ずっと暗黒の世界の 住人だと信じていた だけど 目を開けてみると 世界は光で 満ちあふれ 心の不安は 光にかき消され 朝陽と友達になり 精霊に味方だと言われ 空を見上げると 美しい画に魅せられて あたしはいつも 一人でいても 独りじゃない 目の前には 光しか見えなくて 身体がクリスタルのように 透き通っていて 溜まっていた 真っ黒な煙は全て 体外へ排出され 指の先まで 金色の光で 満たされた 軽やかで 心地よい そんな世界しか 見えなくなった あたしはようやく 目が醒めた
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