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…ピタリと足の動きを止め、彼女は、僕に聞こえる様に、小声で話し始めた。
「佐川さん、別に何かをしたんじゃないのよね。他の子より静かでおとなしいだけ。…反撃するのより、抵抗しない方が、イジメがいがあるし。チクったりしないし」
僕は無言で聞いていた。
「…やり返せ、じゃないのよね。分かってないよねホント。゛大丈夫?゛もだけど、側にいてあげる。その子を孤独にさせない。…ネェ、そう思わない?C組の少年」
返事が出来ない。
声を出すと、裏返りそうだから。
…死んでも、心って痛むんだ。
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