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まだ誰も知らない日本サッカー界の天才現る
山岳地方の群馬県の田舎で育った少年、中島貴也は、山道で自然と体が鍛えられ、身体能力にかなり恵まれていた。
彼は登山やハイキングが大好きで、地元の妙技山の険しい道を登ることが日常的だった。
そんなある日、彼は家でたまたまサッカーワールドカップの試合を見た。
サッカーの試合は初めて見るもので、彼はスーパースターが必死になって走る姿や、ゴールの瞬間の観客の熱にとにかく感動した。
彼はこれまでにないような人のパワーと美しさを見て、夢中になってしまった・・・
自分もこれからサッカーを始めたいと思い、高校サッカーを始めることを決心した。
それから、数カ月後、貴也は地元の強豪校で、全国大会でも常連の前橋育栄高校に入学し、サッカー部に入ることとなった。
前橋育栄高校は、強豪高校であるため、入部希望者も多く、仮入部の最初の練習時点で100名を越す入部希望者が集結していた。
しかし、この100名近くの人間は、推薦組を除く人間であり、推薦組のエリート20名はこの中にはいなかった。
そんな中、コーチが現れ、全員がコーチに大きな挨拶をしていた。
貴也もとりあえず、周りの人間にならって、少し遅れたが挨拶をしてみた。
コーチが、「それでは、集まっていただいた諸君、こんにちわ。今日は皆のちからを見たいので、シャトルランのダッシュ、100メートル走での計測を行う。」と言った。
そこから、30人ずつ1列に並ばされ、シャトルランのダッシュが始まった。
中学自体ではそれなりに腕を鳴らしたサッカー自慢が次々とシャトルランを離脱していく・・・・
貴也の番がついにやってきた、貴也の組の30人も、何十本を超えたあたりから次々と人が離脱していく中、貴也は平然とダッシュをこなしていた。
最終的に貴也以外、誰もいなくなったため、貴也の組のシャトルランが終わったが、このとき誰もこの男の身体能力には全く気づいていなかった。
少しの休憩時間の後、100メートルの計測が行われることになった。
そこで、貴也は周囲の度肝を抜くことになる。。
貴也自身は、80%くらい程度で走ったつもりだったが、横並びで走った他の4名を完全に置き去り状態にしてしまった。もちろん、走ったタイムも新入生の中で断トツで1番であった。コーチは貴也の初速の速さに注目し、貴也に対して声をかけた。「君はすごい。」と言った。貴也は少し困惑したが、コーチは「お前はここで大活躍することができるだけのポテンシャルがある」と言って、去っていった。
次の日のサッカー部の練習では、冒頭に総監督の田中から、新入生に対する挨拶が行われた。「諸君、サッカー部への入学、歓迎する!昨日のシャトルランで何十名か入部を断ってきたものもいたが、諸君はこれから3年間、サッカーだけでなく、人としても大いに成長してほしい。そのためにサッカーの技術だけではなく、体力、人間力も全て兼ね備えて、これまでの幾栄高校の立派なOBのように、世界でも戦える人間になってほしい。」
総監督の田中の言葉は、伝統からくる威厳と重みがあり、貴也の心を躍らせるような感覚があった。その後、新入生同士の紅白戦が行われることになった。
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