友達

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 真希と形として友達という関係になってからも、響は告白を続けた。 「ねえ、気になんないの?アイツのこと」 麻実は響の方を顎で指す。 「え?いや、そんなに執着するほどでもないし」 「まあ、真希はそれでいいかもしれないけど。私たちからすると、どう見ても真希と喋ってる時は真希を好きそうにしか見えないんだよ」 「私はいつも通りだと思うけど」 「じゃあいつも好きなんじゃない?とにかく、それなのにまだ告ってるっていうのはおかしいの」 「まあ、そうだとしたら少し嫌だけど。でも、たぶんそうじゃないだろうし」 「やっぱ嫌でしょ?なんか、アイツの『好き』は安定してるんだよね。もう『付き合ってる』って思ってるっていうか。こっちは見ててイライラする」 「いや、そんなことないと思うけど。意外と話してて楽しいよ、響君」 「いやあ、話したくないよ、変に誤解されそうだし。女子で好き好んでアイツと話す人、そうそういないと思うよ」 「なんでみんな響君の事を知ろうとしないんだろう」「まあ、女子をはねつける力があるんだよ、告り魔には」 「せっかくみんな優しいのに。響君にも優しくしてほしいなあ…」 「じゃあ、真希から言っといてよ。『告り魔は信用失くすからやめた方がいい』って」  そう軽く言うと、麻実は教室から出て行ってしまった。  五年後の同窓会。真希と麻実の会話は、近々行われる真希の結婚式の流れになった。 「もう結婚かあ。早いねえ。相手は?」 「大学で知り合ったんだけどね。一年ぐらいお付き合いして、向こうからプロポーズしてくれた」 「え〜、いいなあ。そういえば、響とはどうなったの?」 「ああ、あの人とは大学入ってから少しして付き合ったんだけど、一か月続かなかったなあ。響が冷めたとかいう前に、早々に合わないっていう事がわかっちゃって」 「でも、すごい仲良しなんでしょ?」 「そうそう。結構頻繁に遊ぶんだよね」 「呼び方から仲良しって分かるよね。私なんてまだ"麻実ちゃん"だからねえ〜」 「ええ?じゃあ『麻実』って呼ぼうか…?」 「いいねえ、嬉しい。ねえ、今度遊ばない?」 「遊ぼう!他の子も呼んで…」
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