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数日後、名刺が出来たと連絡が来たので久美さんの実家へとやって来た。
「まあ上がってお茶でも飲んでって下さい」
「いやお構いなく」
「いえ、祐介くんの幼馴染みと聞いてそのままお帰しするわけにはいきません」
久美さんのご両親に勧められ、仕方なく家に上がらせてもらった。
「2人は仲良くやってるようですか?」
「仲良くどころか東山は赤ん坊に夢中ですよ。赤ん坊をお風呂に入れたりオムツを替えたりもしてるって言ってました」
「そうですか。それは良かった」
お茶のお礼に東山の昔の優秀ぶりを断腸の思いで披露した。それで場が和むのなら仕方がない。ご両親も喜んでいるし。
「……その写真」
俺は壁に掛けてある写真が気になった。
「ああ、これは久美の小学校入学式の写真です。久美がお嫁に行ってしまって寂しいので、引っ張り出してきて飾ったんです」
大きなランドセルを背負いスーツを着て嬉しそうに微笑む少女。あどけなくて可愛いのだが……目が一重だ! 団子っ鼻だ! 今の久美さんとは全然違う!
「本当に久美さんなんですか?」
「え、はい。久美です」
「失礼ですがお父さんに良く似てらっしゃいますね」
「え……あ! やだ、気付いちゃいましたか」
久美さんだと言われなければ気付かないだろう。あまりの変わりように開いた口が塞がらない。
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