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井の中の蛙
その井戸には、一匹のカエルが暮らしていました。そのカエルは、深い井戸の底で暮らしていたので外の世界を知りませんでした。そこに、一匹の蜂が井戸の上を飛びながらこう言いました。
「君はなんてかわいそうなんだろう。こんなに狭い井戸から出ることができなくて。私は、広い野原を自由に飛び回って、綺麗な花から採れた美味しい蜜を食べることが出来るんだ。」
それを聞いた蛙はこう言いました。
「いいな。私にも羽があったら良かったのに。」
蜂は得意げにブーンブーンと羽根を鳴らしました。
「蜂さんは、その羽根でどこまで飛べるの?」
蛙は蜂に聞きました。
「それは、君の行けないずっと遠くまでさ。」
「じゃあ木のてっぺんまでは?」
「そりゃあ行けるさ。」
「じゃあ山の上までは?」
「そりゃあ行けるさ。」
「じゃあ雲までは?」
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