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どうなっているの
窓が少し開いていて、その隙間から柔らかい風が入りこみ、外と室内の温度が変わる。
肌で感じたあたしは、ゆっくりと目を覚し覚束ない頭で暫く身体を休めた。
……………気持ちいい。
このまま、ゆっくりと休もう。
幸い、あの男もいないしね。
なんて思っていたら、ふいに。
『リーフレットお嬢様!!目が覚めましたか!!』
なにやら近くで女性らしき声が聞こえる。
…………………リーフ、、、レット?
どこかで聞いたような名前。
驚いたあたしは思わず目を開いた。
な、に?
今の。
それより、あたしの部屋にあの男がいなくて、知らない女性が心配そうに見ている。
…………………だれ?
戸惑うあたしを見た女性も困惑する。
「人間界から戻った途端に倒れたんです。それも二週間は目覚めなくて。ても、やっと目を覚してくれて本当に嬉しいです。」
目をうるうるさせてあたしを見る。
二週間?
人間界?
…………もしかして、これは夢?
うん、夢だよね。
しかし、なんだか妙にリアルがある。
「…………あの。」
混乱をしながらも口を開く。
「どうしましたか?リーフレットお嬢様。」
「あ、あの。鏡とそれに喉が乾いたので。何かあれば。」
戸惑いつつも異様に乾く喉に思わず口にした。
「畏まりました。では、今すぐご用意を致します。幸い鏡はそちらの壁に貼り付けてありますので。」
では、一旦失礼致しますと丁寧に頭を下げた女性は部屋を出ていってしまった。
何が起きているのか、さっぱりわからない。
確か、昨日は、あの男が用事でこちらに行った話は聞いてはいた。
だから、たまにはゆっくりと出来ると思ってお笑い番組を見ていたはず。
あ、その前に頭痛があったのよね。
ま、いつもの頭痛だろうと無視をしていたんだけど。
お笑い番組を見た後から記憶がない。
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