つげる

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賢い人達はその見えない色さえ観測する(すべ)と、どれほどの量が有るのかを導きだす計算式さえ編み出しているのだけれど。私はその一端に軽く触れただけ。 宇宙に満ちるダーク・エネルギーもダーク・マターも観測できないままだけれど、それ等の量が分かって来たからこそ、この宇宙が辿る運命の姿も分かって来ているそうね。 膨張し、広がり続けている私達の宇宙。 でも未だに光を超える速さの観測ができない私達は、遥か遠くより辿り着いた光をかき集めて観測し、自分達の導きだした計算が正しいと確認する作業を続けるだけ。 命は、宇宙は、どこから始まったのだろうと。 宇宙より飛来した彗星の水。隕石に含まれるアミノ酸に、人体には強すぎる宇宙線。 惑星の薄っぺらな大気に守られ、恒星の程よい温度に守られ。 小さな惑星上の私達は、余りに弱く知る事は少ない。 貴方以上の演算能力を持つ機械を肌身離さず持って、世界からの知識を簡単に取り出せていても、この星の全て、宇宙の全てを知り得ない。 自分達がどこから発生したのかさえ。 貴方が旅行く宇宙に、命の始まりの種があったのならロマンチックね。 誰もが問うわ。 私達は何処から来て、何処へ行くのかと。
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