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「………これは…。」
ゴエーモンがあんぐりと口を開けている。
……恐ろしい予感が当たってしまった。
「これは……なんだ。これが『色欲』というやつか!」
ゴエーモンが、映像を見て目を輝かす。
ちーーーーん
僕の脳内に仏壇の音が響いた。
「ゴエーモンさん、そんな顔をしていて色事に詳しくないんですね。そういう関係で地獄送りになった人々はいなかったんですか?」
僕は半ば開き直ってゴエーモンに問いかけた。
僕の表情を一言で表すなら……
「どよーん、きらーん、しゃきーん、ずーん」
かなぁ。
「なにを言うのだ。我は今日から閻魔大王になったのだ。正直言って何も知らん!」
こんなにきれいに無知を言い切れる閻魔大王がいていいのだろうか……。
「宮下健太よ、教えてくれ!!これはどうやってやるのだ!」
ゴエーモンが映像を指さして興味津々という顔で聞いてくる。
こいつは…、ゴエーモンは…………。
僕が一人で寂しく処理しているのを見て、何を言っているのだ…。
煽っているのか?
これは煽っているのか??
そうか、煽っているのか。
「あーはいはい。どうせ僕は永遠の童貞ですよ。魅力のない僕は一生これをするしかないんですよ。」
もう、正直やけくそだった。
自分が死んでいるのかどうかもどうでもよくなってきた。
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