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ここは……。 僕は、薄暗い通路を歩いていた。 通路と言いつつも、ただの細い歩道。 壁が、どこにあるのか、分からない。 僕は……。 誰?? そうだ、宮下健太。 僕は、普通の男子高校生…。 なんで、ここにいる…? 考えると、頭痛がする。 分からない……。 待って、僕は、さっきまでどこにいた? ドコニ…… 考えて、思い出せるのは…。 赤、赤、赤。 一面の赤。 脳がペンキで塗られたように、赤しか思い出せない。 赤い、赤い、赤い……。 真っ赤っか。 僕は……。 ナンデココニイルノダロウ…。 少し歩くと、明るい光が見えてきた。 僕は、その光の中に行かなくてはいけない。 直感で、そう強く感じた。 僕は、光の輪をくぐった。 目が一瞬眩み、頭がぐわんとなる。 頭の痛みが治まり、僕は顔を上げる。 「げっ……。」 僕の第一声だった。 そこは、異世界転生ものとかでよくある、玉座の間。 真っ赤な玉座に座るのは…。 男の僕でも見とれてしまうような、イケメンだった。 長い、赤い服を着ている。 白髪に、緑色の目。 艶のある髪は、束ねられている。 「あ、あの……?」 何が起こっているのか、正直言って理解できなかった。 誰なのだ、この緑色の目のイケメンは。 憎らしいほど神々しいイケメンは。 とりあえず、彼が誰なのか。 それを知りたかった。
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