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「アァッ…ッヤ…戒ッアッ」
奥深くまで垂直に刺さる腰と少量の潤滑油に、内壁がゴリゴリと削り取られていく。押さえ込まれた足に逃げることも叶わず、ただただ犯されていく可憐な花弁がめくれて、戒の腕を掴む指先に力がこもる。
「アッ苦しッんイッやアァ」
「優羽、いい顔してますよ」
「ヒぁッんっ~いッ戒」
痛みが徐々に薄れ、与えられる鈍痛が快感に変わっていく。
始めは油の刺さっていないブリキの玩具のように、ぎこちなく動いていた律動も段々とスムーズに動き始めていた。
「アッ…~っ…アッアあ…あ」
どこからこんな声が出るのだろう。
甘えるように高く、すがるように熱を帯びた鳴き声がどこか遠くから聞こえてくるかのように、頭の中をこだましている。
「アッぁ戒ッ気持ちイッあぁ」
前後に揺れるだけの体がこんなに気持ちよくなる方法は、彼らから教えてもらった。
毎日毎日、飽きることなく交互に教え込まれた卑猥な遊びは魅惑の味となって身体中に染み付いている。
「ヒッアッぁアあぁ」
声が止まらない。
密着してくる戒の濡れた服の冷たさが、どんどん熱くなる身体に心地よくへばりついていた。
「慣れてきたようですね。声が変わりましたけど、気持ちいいですか?」
強引に押し込まれていた塊が、引き抜かれるたびに淫湿にぬめりをおびていく。
怖いくらいに打ちつけてくる戒を不安そうに見上げながらも、たしかに刻み込まれていく快楽の印に潤瞳の視線が絡み合う。
「やアァッ?!」
体が勝手にはね上がるほどキモチイイ場所を戒は知っている。
角度を変えて、内部の状態を探るようにつつき始めた腰の動きに優羽の声が暴れていく。
「優羽、もっと鳴いてください」
「ッ!!?」
ビクンっと、大きく目を見開いた優羽の視界に余裕で微笑む戒の顔がうつる。
卑怯だと思った。
こんな時なのに、こんな時だからこそ、その熱の違いに我慢ができなくなる。
「いっイクッぁダメ戒ッアぁあっ───」
十字に交わる蜜穴からジュボジュボと聞きたくもない音が溢れ出してイク。
「───いやッイヤぁぁっぁあッ」
足の指先までピンと伸ばし、戒の腕に爪先をめり込ませながら、優羽は弓なりにのけぞるようにして果てた。
「ッ?!」
それでも終わらない仕打ちに、涙目で絶頂を味わった優羽は半身を起こしながらその先を否定する。
「ああ、いいですね」
足から腰に置く手を変えた戒が本格的に動き始める合図かのように、ニコリと笑った。
それはあまりにも綺麗で、思わずのみ込んだ声の先に優羽は助けを求めるように腕を伸ばす。
助けてくれるのは戒しかいない。
わかっているのに、その先を与えてくれるのも戒しかいない。
ヤメテ
ヤメナイデ
心の中で繰り返される葛藤に、頭がおかしくなりそうだった。
「イヤァっ戒ッあぁッ戒っかぃ」
同じ名前を繰り返し叫び続ける声とは裏腹に、その視界の先ではしっかりと出たり入ったりを繰り返す淫行の様子がうつっている。
グロテスクに光りながら現れては、根本まで深く突き刺さる男根を美味しそうに味わっている秘部が女としての悦びを感じているかのようにヨダレを垂らしていた。
「気持ちいいですか?」
クスクスと優羽の後頭部を器用に支えながら腰を打ち付けてくる戒の声がすぐ耳元から聞こえてくる。
うんうんと、素直に快楽への感想を述べてみれば、また戒は嬉しそうにクスクスと笑った。
「美味しいですよ、優羽」
「ッア?!」
何かが引きずり出されていく感覚に、ゾクゾクと悪寒が駆け抜ける。
今まで感じていた快楽とは違う。体の芯から犯されるような吐き気がしそうなほどの恐悦。
「このままでは、風邪引きますね」
そう言って自身を挿入したまま上半身だけ起き上がり、戒は濡れた服を脱いでいく。
ヒクヒクと内部で痙攣をおこしながら、優羽はただ成り行きを見守っていた。
「ここ、好きですよね?」
全裸になった戒の手が全身を愛撫するかのように優羽の肌をすべる。
ビクッと反射的に萎縮した体が、なぜか次の瞬間、全身を解放するように開いていた。
「ヒっ…ヤめッアッ…なんっでッ動かさ…なッイヤあぁっぁイヤァァッ」
「まだまだ鳴けるはずでしょう?
ほら、ここも。ああ、こちらもですね」
戒の手のひらが滑る度に絶頂に似た快感が全身を駆け巡る。
なぜかはわからない。
わかっているのは、泣いて抵抗しているはずなのに、蜜を溢れさせて喜んでいる自分がいることだけ。
「ヤッぅアァァッァ!?」
「逃がしません」
もう触らないでほしい。
おかしくなる。
「いいですね、この感じ。長い間、ずっとずっと忘れていましたよ」
楽しそうに笑う戒の瞳が光を反射して白銀に揺れていた。
わずかに差し込む天窓の外はまだ嵐が続いているのだろうか。
「もっとください」
「ッ?!」
自分の奇声と雷が落ちる音が重なる。
前後に視界が揺れる中、優羽はしがみつくように戒の首に腕をまわした。
「アっァイクッぁイ…ィまたイッ───」
ギュッと震えるように抱きついてくる優羽に戒が止まることはない。
そのまま導くように優羽の唇に噛みついた。
「───アッ、戒ァァアッあぁアぁ」
盛大に暴れる腰を戒は逃がしてくれない。大きく引き付けを起こした身体はおさまりもしないで、戒の動きに合わせて揺れ続けている。
「ヤダっもっイヤァァア」
一度溢れだした蜜は、止まることを知らないように卑猥な音を奏でていた。
「ダメですよ。さっき、始まったばかりじゃないですか」
断続的に声をもらす優羽をあざわらうかのように、戒は優羽の唇をペロリと舐める。
イヤだイヤだと駄々をこねる子供のように首を横に振る優羽のアゴを固定し、覗きこむようにまた笑った。
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