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何度も、気持ちいいと優羽は戒を強く抱き締める。
逆に戒が息が出来ないんじゃないかと思えるほど、ぎゅうぎゅうと抱き締める力が強くなっていた。
「ッ!?」
数回強く腰を打ちつけられれば、突き抜ける快感が優羽を襲う。
耳鳴りがしそうなほどの振動。
迎え入れるように大きく開いた足と、濡れてこぼれる愛の証が混ざり合う。
「戒ッ~…ん…っアァあ」
全ての動きが戒に合わせて揺れていた。
「優羽、美味しいですよ」
「ッ…アァァアアッァ」
戒を抱きしめる腕を弱めることが出来ない。
快感の頂上に到達しようと込み上げてくるものを押さえられない。
「いくっ戒ッあぁイクイクッ…ヤッ───」
身体中が悲鳴を上げて震えていた。
淫湿な空気も、卑猥な水音も、快楽をあおるただの道具でしかない。
自分の押し殺すような喘ぎ声でさえ、無駄に情欲をかきたてていた。
「───ヤァアッあぁっああ」
グイッと下肢を引き寄せた戒に、唇がおおわれる。
戒が止まってくれない。
重なったまま絡めとられる舌をうまく動かすことも出来ずに、優羽は次の快楽の扉を叩こうとしてくる戒に否定の言葉もつむげなかった。
「も…っイヤ…ッ…いきたくッ」
一度強くつかまれてしまった腰が離れることはなく、こすれ合う愛蜜の音がイヤでも耳に届いてくる。
「ッいやぁ~っクッ…ぁ…あっ」
突然引き起こされた身体が戒の上にまたがり、ピンと伸びた背中に合わせて乳首が上をむいて震えている。
「随分と敏感になりましたね」
ズンッと、身体全体にかかった重力が戒のものを更に深く押し込んで優羽の深層にめり込んでいた。「ああ、ほら見てください」
「ッヒァ?!」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
戒に促されるようにして視線を下げてみれば、電気のように走る痺れ。
至近距離で微笑む戒の眼差しの先に、隠された乙女の蕾が悲鳴をあげて形を変えている。
「赤く膨らんでイヤらしいですね」
合わさった腰の隙間に芽吹く小さな蕾を何の躊躇もなく戒が爪先で引っかいてくるせいで、優羽の身体が高く跳ねあがる。そのうえ弓なりになった身体が戒の前に胸を差し出したおかげで、容赦なく乳首を噛みつかれ、赤く主張した突起物達は可哀想なほど潰された。
痛みにも似た、甘い快感。
しびれる身体が暴れ、生理的な涙がほほを伝っていく。
「もっと泣いてください」
見上げてくる戒の視線がジッとのぞきこんでくる。すべてを見られているのが、怖くて気持ちいい。
何度、弓なりに高い奇声を上げ続けても、突き上げる衝動が止まらないばかりか、戒の笑みは深くなるばかりだった。
「イヤァ壊れッ~無理ッあぁ」
「どこがですか?」
「し…ンッ…死ん~っ…じゃ…ぅ」
いつの間にかつかんでいた戒の肩は、いつつけたのか自分でも記憶がないのに、たくさんの爪痕がついていた。
ダメだとわかっていても、受け止めきれない快楽に力がこもる身体は、戒の皮膚を傷つける。
「ヒィッ…イクッ無理ッ…やめてッ…ぁ…ヤメテェェェッェェ?!」
「ここも、ここもこんなに硬くして、甘い声で鳴いて、締めつけてくるのに無理なことはないでしょう?」
「ムリッ…~っあぁア…はなしてッ…か…い…かィ…ヤだァァアッアッ」
グリグリと摘み取られるのではないかと恐怖が押し寄せるほど、器用に指先に力を込める戒に優羽は涙で許しを求めていた。
もう無理。
死んでしまう。
突き刺されたまま弄ばれる性感体に、奇声染みた哀願が室内をこだまする。
「優羽の涙は本当に美味しいですね」
戒の言葉は、自分のかすれた声のせいでよく聞こえなかった。
それでもなんとかこの恥辱にまみれた行為を止めて欲しいと伝えるために、優羽は必死で首を横に振る。
「無駄ですよ?」
グイッとひきよせられた戒の瞳に、快楽に悶える雌の顔がうつっていた。
「今は押さえられませんから」
「ッ!?」
「死ぬほど泣いてください」
なんでこんなに気持ちいいのかわからない。
誰か理由を教えてほしかった。
眉をしかめることが精いっぱいで、呼吸の仕方さえ忘れてしまったかのように快感が脳を刺激する。
吐息と一緒にこぼれ落ちた涙を戒の舌に優しくすくいとられながら、優羽は鳴き叫ぶ先の世界を見た。
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臨時で気象情報を伝えるテレビ画面の先では、季節外れの嵐に困惑する声が叫ばれている。
鳴り響く雷、吹きつける突風、打ち抜かんばかりの雨粒までもが異様な気配を見せているせいか、各地で被害状況が報告されているらしい。
「お前のせいで迷惑がかかっているよ?」
テレビの電源を切って、深いため息が室内へと振り返る。外の嵐と打って変わって、静かな声が部屋に響いた。
「なん…の…ことでしょうか?」
窓を壊そうとするほどの天候が、床にうずくまる男の顔を照らしだす。
メガネをどこへやったのか。美麗な顔立ちをしたその男は、銀色の目を隠すかのように近づいてくる男を見上げていた。
「ッ幸彦さま」
ドンっと大きな落雷の音が地面を震わせる。
まぶしいばかりの光の中にあらわれた幸彦もまた、彼と同じ銀色の瞳を持っていた。
「まだ"あの時"のことを気にしているのかい?」
苦笑した幸彦が首をかしげる。
「なにをおっしゃって…ぃ…ッ!?」
ドクンと大きく視界が揺れるのを感じて、床にうずくまっていた男は地面に両手をつく。
尋常じゃない汗がホホをつたい、地面に水滴を落としていた。
苦しい。
ここ何日も続いていた頭痛と吐き気の集大成のようだった。
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