本当はイエスと言いたかった

3/21
前へ
/21ページ
次へ
親友たちの目が鋭く光った。 「あ、他に好きな人がいるって意味じゃ‥‥」 ドクンッ‥‥今一瞬、彼の顔がよぎった‥‥ バカだな‥‥彼とはムリなのに‥‥ 「大鷹、顔が赤いぞ?」 「確かに、白頬に朱が‥‥」 「ハッ! そそそそんな事ないッ! 本当に、しゅきな人なんていないって!」 「「ブフ、大鷹、焦り過ぎ」」 「ぐっ! か、帰るわ、うん、勉強しなきゃ」 授業料が安くなる特待生を維持しないと! ワケわかんない事に関わってる場合じゃない。 小鳩君には明日断ろう。 と、現実を思い出し気持ちが決まった。 ――のにっっ! 「別に告られたわけじゃないんだし、そう構えずに、軽い気持ちで行っといでよ」 「話題の図書館だしね。 話のネタになる、ぐらいの感じでいいんじゃね?」 ‥‥二人は私の事情を知ってるから心配して言ってくれてる。 高二にもなって殆んど男子と関われない私の事を。 うぅ‥‥行くだけ行くか。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加