0人が本棚に入れています
本棚に追加
あれはもう遠い過去の事、思い出しちゃダメ。
「君、下品過ぎて最悪なんだけど!」
ビクンッ!
大声で私を罵りながら近付いて来る小鳩君に後ずさる。
私は、男の大声が恐い。
ううん、冷静に!
こんな事でビクビクしてたら、これから先、生きていけない。
頼りなく立つ私の前まで来ると小鳩君が口を開く。
「何か目立っちゃってるけど、言わせてもらう」
え? ‥‥あ。
親子連れ、カップル、老夫婦‥‥
大勢の人達が足を止め遠巻きながらも私達を見てる。
『‥‥何か高校生カップルがケンカしてるっぽい』
『男の子が怒ってる‥‥女の子が何かやらかしたみたいよ』
老若男女が私達を見て噂話しているのが聞こえて来る。
‥‥やっぱり、私に非があるって思われてる。
だけど私、本当に身に覚えが無い!
「君さ、何、お腹なんか鳴らしてんだよ!
静かに過ごすべきサイレントスペースで!」
「え‥‥お腹?」
最初のコメントを投稿しよう!