本当はイエスと言いたかった

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あれはもう遠い過去の事、思い出しちゃダメ。 「君、下品過ぎて最悪なんだけど!」 ビクンッ! 大声で私を罵りながら近付いて来る小鳩君に後ずさる。 私は、男の大声が恐い。 ううん、冷静に! こんな事でビクビクしてたら、これから先、生きていけない。 頼りなく立つ私の前まで来ると小鳩君が口を開く。 「何か目立っちゃってるけど、言わせてもらう」 え? ‥‥あ。 親子連れ、カップル、老夫婦‥‥ 大勢の人達が足を止め遠巻きながらも私達を見てる。 『‥‥何か高校生カップルがケンカしてるっぽい』 『男の子が怒ってる‥‥女の子が何かやらかしたみたいよ』 老若男女が私達を見て噂話しているのが聞こえて来る。 ‥‥やっぱり、私に非があるって思われてる。 だけど私、本当に身に覚えが無い! 「君さ、何、お腹なんか鳴らしてんだよ! 静かに過ごすべきサイレントスペースで!」 「え‥‥お腹?」
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