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私は、大鷹。
高二女子。
ずっと共学なのに、男子と会話した事はほとんど無い。
多分、殆んどの男子の目は私を自動的に削除している。
そんな学校一の地味女子。
夏休み前、期末テストを控えたある日。
人影まばらな放課後の教室で珍事が発生した。
「大鷹さん、週末、開いてる?」
学業優秀、スポーツ万能で学校一のイケメンらしい小鳩君が聞いて来たのだ。
『らしい』と言うのは、私はイケメンに疎く判断できないから。
そんな完璧男子が話しかけて来るとは。
ヤバい、嫌な予感しかしない。
「『開いてる?』とは?」
日本語は難しい。
解らなかったので聞いてみた。
「F市に出来た『楽しい図書館』のチケット貰ったんだ。
土曜日の10時、勉強しに行ってみよう?」
「え‥‥いや私、土曜日は家でテスト勉‥」
「図書委員だよね?」
言い終わらない内に小鳩君が被せて来る。
こわ‥‥
笑顔なのに目が一切笑ってない。
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