国家機密の暗号

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国家機密の暗号

「どんな国家的な陰謀ですか?」 「わかったわ。『いい箱』と言うのは、『国家機密の暗号』なのじゃな」  お蘭はひとりでうなずいた。 「え、国家機密の……。いや違いますよ。あのですね。歴史学者がよく調べた結果、源頼朝が征夷大将軍に就いたのが、1185年だったんですよ」 「そんなで、この伊賀のセクシー忍者を(たぶら)かそうとしても無駄なのじゃ」 「別に(たぶら)かそうとしているワケじゃないですよ」 「きっとこれは文化省直属の甲賀忍者が裏で糸を引いているのじゃ。そうでしょ。小次郎」 「そんなワケありませんよ。なんで甲賀忍者が裏で糸を引いているんですか?」 「いいえ、これは国家を揺るがすような恐ろしい計画なのよ」 「恐ろしいってェ……。何がですか」 「よろしくて、甲賀忍者と文化省が結託して歴史を捻じ曲げ、つもりなのよ」 「そんな無茶クチャなことするワケがないだろう。文化省が!」 「いいえ、間違いないわ。これは甲賀忍者と文化省が和の国を支配する布石なのよ」 「いやいや、なに言ってるんだよ。どんな布石だよ。正確には2006年に教科書が改訂されたんだ」
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