13人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
続・勇敢なる冒険者たち
日がすっかり暮れた頃、私たちは目的地近くの麓にいた。
ただでさえ寒いこの時節、夜になると益々冷えて動きがとりづらくなる。けれど、仄かに温もりを感じるここ一帯は、まだマシな方かもしれない。
行く手には、気が遠くなる程の高木が そびえていた。
「よし、登るぞ」
「じいちゃん、気をつけて」
「おぉ、君も後からついて来い」
勢い良く飛びついたはいいが、すぐに滑り落ちてしまった。
兎に角つるつるしていて とても登りにくい。苦心しながら何度か挑戦しているうちに、段々とコツがつかめてくる。
私たちは、只管 上を目指して登り続けた。
魔力というほどのものではないが、我らは いざとなれば空を舞うことも出来る。だが、どこから敵がやってくるか分からない今、目立つ行為は極力避けたいものだ。
最初のコメントを投稿しよう!