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プロローグ ~勇敢なる冒険者たち~
そろそろ行かねばならないな……
旅の支度を整えた私は、決意を固め 表へ出た。
日は既に落ちかけているのか、辺りは薄暗い。
冷たい風に、ぶるっと震える。否、武者震いというやつだ。
「じいちゃん、くれぐれも気をつけてくれよ」
「ああ、分かってるさ。ケイ、留守をしっかり頼むよ」
心配そうなケイに、私は出来得る限り明るく返す。
「おみやげ、たのしみ!」
無邪気に跳ねる、妹のアイ。その頭をそっと撫でてやる。
「ああ、じいちゃんに任せとけ。たくさん持って帰るから」
ふたりに見送られながら、家を後にした。
自分でいうのもなんだが、私は勇敢なる冒険者。
危険なミッションではあるが、躊躇ってなどいられない。家族の喜ぶ姿を励みに、ただ前進あるのみだ。
「おぉ、君もこれから行くのか」
「うん、じいちゃんもか」
「それじゃ、一緒に行くか」
途中であった同志とともに、我らは お宝を求め、いざ目的の場所を目指す――
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