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もう、今日で最後にしよう。
初めて会った三年前の春、俺はあの人に強く惹かれた。
10歳上のあの人は俺が入学した高校の男性教師で、今日までの3年間、俺がいたクラスの担任だった。
他の奴らより少しでも長く、先生の近くにいたかったから、質問があるふりをして職員室や教科準備室に入り浸っていた。
少しずつだけど、先生との距離は確実に縮まっていると思っていた。
だから告げたんだ。
先生のことが好きだって。
先生なら笑ったり流したりせず、受け止めてくれるような気がしたから。
実際、先生は受け止めてくれた。
受け止めてはくれたけど、応えてはくれなかった。それでも俺は諦めずに何度も告げた。何度も告げたが応えてもらえないまま気づけば3年近くが経ち、今日で俺はこの高校を卒業する。
当たり前のように会えていた日々は今日で終わり、明日からはもう、ここには来ることはできない。
けじめをつけよう、この気持ちに。
数日前、卒業式のあと2人きりで話がしたいと言ったら、少し逡巡した後に「準備室にいる」とだけ返ってきた。
俺は最後の告白をするために、先生が待つ準備室に向かった。
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