生徒と先生

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明るく照らされた大広間。 華やかな衣装を身にまとい、人々は喜びと祝福を本日の主役二人に向けている。その男女は笑顔でそれに返す。女性の方は純白のドレスに大きなリボンを背中に結び、その左薬指にはきらきらと輝く指輪があった。そんな姿で今日この場で煌めくような笑みを浮かべている彼女を見ると胸がぐっと苦しくなる。あの日、あの時彼女を自分から引き離さなければ何か状況は変わっていたのだろうか。何か、何か例えば今日、彼女の隣で幸せそうに笑っているのは彼ではなく俺だったのではないか。なんてあったはずのない今をぼんやりと二人を見つめながら考えたりする。こんな自分がとてつもなく虚しいように思えてくる。この後ちゃんと「おめでとう」と言えるだろうか。皆と幸せをわかちあっている時に俺なんかに話しかけられては迷惑だうか。まあそんなことはどうでもいい。今俺が思うべきはこれから先、長い人生を彼と共に笑い合える日々であって欲しいということだけなのだから。
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