生徒と先生

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私は今日、ある人を探していた。 どこを見ても人、人、人。この中からあの人を探すのは至難の業かもしれない。しかも私は所謂今日の主役と言うやつで、歩く度に知らない人からも声をかけられる。普通なら喜ぶところだとは思うけれど皆には申し訳ないが今は邪魔だとしか思えなかった。式は終わった。それから彼の親戚とも挨拶を交わし、やっと自由時間が少しできたところだった。あの人のことだからもしかしたらもう会場を後にしているかもしれない。だとすれば尚更急いで探さなければならない。いるとすれば人気の少ない場所。目立たない場所。息抜きのできる場所。そう思って私は角にある六帖弱の空間に向かった。
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