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最終列車の汽笛を聞いた私は鞄を抱え直して跨線橋を全速力で駆け下りた。
ホームに降りると列車はゆっくりと動き始めているところだった。
私は慌てて列車に駆け寄り乗車口の手すりを掴むと列車に飛び乗った。
危うく乗り過ごすところだった…。
列車は加速を続け、駅の明かりがみるみる遠のいていく。
私は呼吸を整えると仕事続きで疲れた体にいま一度鞭を打ち客車の扉を開けた。
客車に入ると中にはいつものように多くの人が乗っていた。
空いている席はないかと見回してみると、向かい合わせの4人掛けの横座席に空きを見つけた。
人混みを縫ってその座席へ行くと、恰幅の良い中年の先客が居ることに気が付いた。
男は大股で腰を落として深々と座り、帽子を目の位置まで降ろして酒気を含んだ煩いイビキをかいていた。
なるほど、だれも座らないわけだ。
しかし、疲れ切っていた私はそんなことに目くじらを立てているヒマもなくただただ座りたいという感情で一杯だった。
私は彼の足を避けるように向かいの席に座ると、鞄を抱えてその上に顎を預けた。
ふぅっとひと息ついて列車の外を眺めると、まだまばらに明かりの灯る街並みが右から左へと流れていた。
私は大きなあくびをひとつして目を2、3度しばだたせる。
ここ最近は特に疲れている。
なんでこんなに疲れているのかと回想をしようとしたが考えることも億劫になった。
少しだけ目を瞑ろう。
私はそう思い睡魔に気を許して瞼を降ろした。
寝まい寝まいと思っていてもその誘惑に抗えるはずもなく、次第に思考が曖昧になり、ついには私も向かいの彼のように寝息を立てるようになった。
次に瞼を開いた時、列車は暗闇の中を走っていた。
走行音の反響具合からトンネルの中にいると分かった。
いけない…。
眠ってしまった。
少し立ち上がって周りの席を見渡してみたが、私以外の乗客は誰も居なかった。
どうやら寝過ごしてしまったらしい。
私はガックリと肩を落として座先にもたれかかると大きくため息をついた。
どうせ帰りの列車はないのだからこのまま寝てしまおう…。
私は半ば諦めた様子で再び眠りにつこうとしたが突如、客車の照明が消えた。
非常灯の赤いランプが車内をぼんやりと照らした。
しばらく車内には走行音だけが響く沈黙の世界が続いた。
後ろの方から引き戸が開く音がする。
何者かが客車に入ってくる気配がした。
張りつめた空気が客車に流れる。
私はなんだか急に怖くなって膝に抱えた鞄を強く抱き寄せた。
その何者かが一歩一歩近づいてくる気配を感じるのに何故か足音が聞こえない。
私はその気配の犯人を確認しようと恐る恐る後ろを振り返ろうとしたが、振り向く途中で誰かに肩を叩かれた。
驚いて肩を叩いてきた方に向き直ると、向かいの席に男が座っていた。
男は人差し指を自身の唇の前に持ってくると「静かに。」と目で訴えかけてきた。
誰だこの男は?!私の前に座っていたのは中年の男のハズ…。
それにさっきまでこの客車には誰もいなかった!
なにがどうなっているのか分からなかったが、ひとまず私は男の主張を受け入れて小さく頷入れみせた。
私が鞄を抱えてじっと恐怖に耐えていると。
何者かの気配が次第に強くなり、ついに私たちの真横へとやってきた。
男とも女ともつかない微かな息遣いが聞こえてくる。
人ではない…。
そう直感した。
圧倒的に空間を支配する存在感に対し、まるで生気が感じられない冷たい空気を纏った何か。
私は”そいつ”の正体がどうしても気になり目線だけを向けて、足元から天井にかけてゆっくりと見上げた。
”そいつ”は帳のような薄手のローブを纏う”何か”だった。
天井にまで届きそうな高い背丈はヒトのような形を踏襲しているように見えたが、腕や足に当たる部分は異様に長く、顔に当たる突起は妙に小さかった。
突然、”そいつ”が私の方を見たような気がして慌てて目線を自分の足元に戻した。
何人もの人間に見下ろされているような、そんな痛い視線が全身を襲う。
背中と脇の下に冷たい汗を感じた。
私は必死に自分の足元を見ることに集中して、早く居なくなってくれと強く念じる。
しばらくすると視線から解放された気がして、”そいつ”の気配も客車の奥へとスッと消えていった。
照明が灯った。
私は顔を上げてあたりを見渡す。
”あれ”は居なくなったようだ。
私は小さくため息をつくと目の前の男に質問を投げかけた。
「”あれ”は一体何なのでしょうか?」
「鉄道の検査官のようなものですよ。不正乗車をした者がいないか取り締まっているんです。彼ら、怒らせると怖いんですよ。」
男は窓際に肘を付いて暗闇の外の方を向いた。
暗闇で最初は分からなかったが男は仕立ての良い黒いスーツとコートを羽織った細目の人物で、私と同じかそれよりも若く見えるのに異様に大人びて、そしてミステリアスな雰囲気を纏っていた。
「お詳しいんですね。」
「いえ、大したことは。」
「近藤と申します。町で銀行員をしています。」
私は右手を男に差し出した。
男はその手を取ると優しく握手を返してきた。
「私は坂上です。仕事は、そうですね…”死神”とでも。」
坂口は急に真剣な面持ちになってそう告げた。
突拍子もない解答に、私は「え?」と言ったきりどうすれば良いのか分からなくなった。
「冗談です。」
男はこちらを見て笑ってみせた。
そう言われて反応に困った私は愛想笑いを浮かべてその場をやり過ごした。
どうやら、この男は自分の身の上についてあまり話したくないらしい。
ここはもう少し話題を変えよう。
「それにしても長いトンネルですね。実は寝過ごしてしまって、今どこを走ってるのかも分からないのです。」
「申し訳ありません。私もこの路線に乗るのは初めてでして。ですが、もうすぐ次の駅に着くかと思いますよ。」
「そうですか、それは良かった。」
次の駅が近いのは良い知らせだ。
駅名が分かれば私が今いる場所も分かるかもしれない。
もし、人影があれば下車して宿を探してみるのも良いだろう。
「おや、もうすぐトンネルを抜けますよ。」
坂上がそうつぶやいたため、私は窓の外に目をやった。
トンネルを抜けるといきなり鉄橋の上に出た。
窓から夕焼けのような真っ赤な光が差し込み、私は目を細める。
目が光に慣れるにつれてこの光の正体が分かった。
火事だ。
それも街ひとつを燃やしつくすほどの大火災。
山々に囲まれた渓谷が釜土のように大きな街を焼いていた。
「ひどい火事だ。どうしてこんなことに。」
「あれが理由でしょう。」
坂上を見ると目線は上空へと向けられていた。
私も上空を見上げると、闇夜に紛れた何機もの爆撃機を確認できた。
爆撃機から爆弾が投下されると、地上で無数の爆発が起こった。
爆発の怒号が伝播し、列車の窓ガラスを揺らした。
「ここは日本ですよ?!なぜ…」
坂上の方を再び向き直ったが、彼の引き上がった口元を見て口をつぐんだ。
顔の下は笑っているのに目は下界のそれを見下しょうな冷たい目だった。
この惨劇を見てどうして笑っていられる?
私はこの男を恐ろしく思い、そして嫌悪に似た感情が腹の底から湧いてきた。
「御覧なさい。」
坂上はその細い指で山のふもとを指した。
そこを見ると禿げた斜面を上ってこちら側にやってくる無数にうごめく黒い影が見えた。
それはまるで…。
「あれは…”人間”ですか?」
「”人間だったもの”です。」
「”だったもの”?」
「人間は2つの要素で構成されています。ひとつは肉体。もうひとつは魂。このふたつが合わさることで、その狭間に自我が生まれるのです。この世で滅びた肉体が土に還るように、魂もまたあの世に還る。あれはその魂です。」
「死んだ者の魂…。にわかには信じがたいですね。」
坂上の話が本当だとするなら、この戦場ではざっと見て数千人規模の死者が出ていることになる。
仮に国内でそのような大規模な戦争紛いなことが起きているというなら、聞いたことがないわけがない。
それによく見てみれば、街並みはどこか西洋らしさを感じる。
ここはもしや日本ではないのか?
私が坂上の話を受けて考えを巡らせていると列車はゆっくりと減速をはじめた。
「ほら、もうじき駅に着きますよ。」
列車は鉄橋に併設された宙ぶらりんのホームに停まった。
駅名の標札はを探してみたがそれらしいものは見当たらなかった。
こんなところにヒトなどやってくるのだろうか?と考えていると客車の扉がひとりでに開いた。
さきほど戦場で見た黒い影が入ってきた。
ヒトのシルエットをしたのっぺらぼうな幽霊。
体は半透明で足元にいくにつれて色が薄くなっている。
背丈はバラバラだが、どれも同じ見た目をしている。
私は恐ろしくなって身を縮こませた。
「安心してください。彼らにあなたを傷つける力も意思もありませんから。」
坂上は相も変わらず余裕の表情でいる。
お前は一体何者なのだ?まさか本当に死神ではないだろうか?
続々と幽霊たちが乗り込んで来て、やがて車内は幽霊で溢れかえった。
「彼らはどこに向かうつもりなのですか?」
「あの世ですよ。この列車は死んだ人間の魂をあの世に届けるのが仕事ですから。」
「ということは私はあの世に向かっているのですか?!」
「そういうことになりますね。」
「もしや、私はすでに死んでいるのですか?」
「いいえ。現に肉体はここにありますし、なによりアナタは自我を持ってらっしゃる。死んでいるわけがありません。」
「待ってください。それでは可笑しいじゃありませんか。生きているはずの私がこの列車に乗っているなんて。」
「そう、そこが興味深いところなのです。先ほど検問官はあなたを捕まえなかった。乗車を許可したということです。つまり検問官はあなたが死んでいると判断した。」
坂上は前かがみになってこちらを興味深そうに見つめてきた。
「あなた、なぜ生きながらにして死んでいるのですか?」
坂上の冷たい眼光に私は寒気と謂れのない恐怖を覚えた。
「何かの間違いです!私はここで降ります。」
私は立ち上がると鞄を持って乗車口へ向かおうとした。
「お止めなさい。ここはあの世とこの世の狭間の世界。彷徨えば二度と帰ることはできませんよ。」
「だったら私は、どうすれば良いのですか!」
列車が大きく揺れて私は体勢を崩した。
列車が走り出したのだ。
私はしかたなく、やり場を失った体を座席に収め頭を掻いた。
「…私はどうすれば良いのですか?」
私は困り果てて坂上に答えを求めた。
「しばらく進めば終点です。そうすれば帰りの列車もあるかもしれませんね。」
坂上はいい加減な口ぶりで答えた。
まるで信用できない情報だ。
それにこの列車は”あの世”へ向かっているという。
ならば、終点とはもちろん”あの世”のことだろう。
そんなところに行って本当に帰ってこられるのだろうか。
しかし、今はこの男以外に頼れる者はいない。
私は顔を上げて坂上の顔を覗いた。
坂上は邪悪な微笑みを浮かべ興味深げに私のことをその細い切れのある眼で観察していた。
もうどれくらいの間、列車に揺られていただろうか。
再び長いトンネルを抜けると景色は一転して広い草原へと映り変わった。
いつの間にか空模様は夕方とも夜ともつかない黄昏よりも深い幻想的な色に染まっていた。
しばらくすると列車が減速をはじめ、草原の中にポツンと佇むホームだけの無人駅に停車した。
客車の扉がひとりでに開くと幽霊たちは何も言わず次々と下車していった。
幽霊たちが全員降り終えると坂上は立ち上がってスーツの襟を正した。
「さて、私たちも行きましょうか。」
「どちらにですか?」
「丘の上までです。」
坂上はそう言うと上機嫌な様子で乗車口に向かった。
私もいつまでもここに居ても意味がないと思い、彼のあと追い下車した。
草原一帯には大小様々な丘が連なり稜線をなしていた。
薄暗い空の下なのに不思議と視界は良好だった。
あの世と言われてどんな場所かと想像していたが、私のイメージとはずいぶんかけ離れた、なんというか酷く寂しい場所だなぁ。
列車の先頭に向かい機関室を見てみたがヒトの気配はなかった。
ひょっとして無人で動いているのだろうか?
「こっちですよ。」
坂上は丘の先へと伸びる赤土の道を示すとその丘を目掛けて歩き出した。
私も坂上の後ろを追って道を進む。
丘への道のりは見た目以上に長くそして勾配があった。
道も僅かながらにぬかるんでいたため事務ばかりの私にはかなりこたえたが、坂上はそんな気配は微塵も見せずに悠々と登っていた。
丘の頂上に登り詰めると視界の先には同じような丘が無数に続いていた。
一体この草原はどこまで続いているのだろう。
「御覧なさい。あれがあの世の住人たちです。」
坂上が指さす方を眺めると、向かいの丘の稜線に続く一本の黒い蛇のような列を見つけた。
あれは列車に乗り込んできた幽霊と同類の者たちだ。
幽霊の列は地平線の端から端まで続いていて、その百鬼夜行は途切れることを知らなかった。
「あの列の先には何があるのでしょうか?」
「何もありません。この世界はどこまで行っても同じ景色が続くだけですから。」
「ではなぜ、彼らは歩くのですか?」
「さぁ。ただ、彼らは”前に誰かが歩いているから歩いている”だけなのでしょう。死んでなお彼らは誰かの影法師なのですよ。」
あれが人間の、私の成れの果てだというのか?
私もいつかこの列に加わらなければならないのか?
死後の世界とはなんと無意味な虚無だろうか…。
「あのような列に入りたくはありませんね。」
私がポツリとそう呟くと坂上は声を上げて笑ってみせた。
「どうして笑われるのですか?」
「可笑しなことを仰るなと思いまして。」
「何がでしょうか?」
「だってほら。あなた、既にその列を歩いてらっしゃるじゃありませんか。」
坂上の酷く見下したような目に私は心臓がキュッとなった。
気づけば私の前にあの幽霊たちがいた。
幽霊たちが私たちを追い抜き、地平の先まで歩いて行く。
振り返ると私の後ろにもあの幽霊の列ができていた。
私は幽霊の群衆の真っ只中にいたのだ。
急に鳥肌が立つような思いがした。
「さぁ。行き先はあちらですよ。」
坂上は列の進む先を指さすと不敵な笑みを漏らした。
私は恐怖で後ずさりをする。
私があの幽霊たちと一緒?
そんなことはない!
この虚無の世界を永遠に歩くなんてありえない…!
「嫌だ…。嫌だ…。」
「何がです?」
「私は行きたくない…。」
「どこへ?」
「そっちへは行きたくないんだ…!」
「ではどこへ行かれるのですか?」
どこへ行けばいいのか??
分からない…。
私はどこへ向かっているのだ??
分からない、分からない…。
ただ、ここには居たくない。
居たくないのだ!
「嫌だ!私は嫌だ!!!」
私は列から外れて丘を全速力で駆け下りたが、すぐに足を滑らせて斜面に向かって転がり込んだ。
鞄は宙を舞い、地面に叩きつけられた衝撃で中身が飛び出した。
体にいくつもの痣をつくりながら転げ落ち、最後に体が跳ねたかと思うと地面に向かって背中から叩きつけられ骨の軋む音がした。
痛みでみぞおちを蹴り上げられたかのように横隔膜が痙攣し息が上手くできない。
丘を見上げると逆光を背に坂上の細く冷たい瞳が私を見下ろしていた。
私は痛む背中を丸めながらなんとか立ち上がると、そのままもと来た駅に向かって走り始めた。
こんなところにはもう居たくない、早く帰ろう。
何かに足を取られて私は再び地面に叩きつけられた。
鼻の中にじんわりと温かいものを感じ、次に血の味がした。
足元を見るとそこにはタールに真っ黒な水たまりがあり、そこから生えた黒い手が私をその水たまりの中に引きずり込もうとしていた。
その異様に長い歪な手はあの検問官のものだった。
私はその手を振り払おうと足を必死に引っ張ったがびくともしない。
そのうち黒い水たまりはみるみる広がり、私の体全体を覆うほどになった。
そこから無数の手が現れたかと思うと、今度は私の四肢と頭を捕まえて地面に抑えつけてきた。
私はなんとか立ち上がろうともがいてみるが、抵抗も虚しく私はタールの中で溺れかけていた。
「おやおや。どうしたのですか?そんなに慌てて。」
いつの間にか私の頭上に立っている坂上が道化師のような気味の悪い笑みを浮かべて私を覗き込んでいた。
既に私は四肢を引きずり込まれていたため身動きが取れなくなっていた。
「助けてくれ!!」
私はおぼつかない呼吸の間を縫って何とか言葉を吐き出したが、坂上は私を見下ろすばかりで一向に手を貸す気配はない。
「死にたくな”い!私は死にだくな”い!!!」
私の懇願も虚しく、無慈悲な手は私をタールの海の中へと引きずり込んだ。
最後の瞬間、坂上は私に何かを言ったように思えたが耳も目も塞がれてしまった私には最早、何も分からなかった。
全身を生ぬるい粘液質の感触が侵食し、胸の苦しみだけが私の五感を満たし、やがて私の意識を刈り取った。
甲高い汽笛の音で私はホームのベンチから飛び起きた。
そこは日々、私が利用する見慣れた駅だった。
私の前を改札口を目指す人々が横切っていく。
線路の先に目をやると遠ざかる列車の明かりが見えた。
私は汗の滲んだ額を手の甲で拭った。
あれは夢だったのか?
とても夢には思えないほどリアルな体験だった。
まだ肌にはねっとりとしたタールと、冷たい手の感触が残っている気がして落ち着かなかった。
ふと鞄がないことに気づいた。
あたりを探してみたが見つからない。
そういえば、丘から転げ落ちたときに鞄を手から離してしまった。
あの丘に置いてきてしまったのか?
ふと脳裏に私を見下ろす坂上の姿がよぎった。
あの男は私をどうしたかったのだろうか?
ひょっとして彼が私をこの世界に戻してくれたのだろうか?
今となってはそれを確かめる術はない。
ホームに掛けられた時計を見る。
最終列車は先ほど出発してしまった。
仕方がない、歩いて帰るのも悪くないか。
私はベンチから立ち上がると改札口へ向かった。
終電がなくなった駅前は異様な静けさを纏っていた。
私は線路に沿うように道を歩いた。
街灯が少なくなるにつれて夜の輪郭が鮮明になる。
夜空を見上げると無数の星が私のゆくべき道を照らしてくれていた。
私の住む街でもこんなにも星が見られるのかと驚いた。
空を眺めたことなんていつぶりだろう…。
広大な星空へ両の手を掲げてみる。
今、私の手の中に宇宙がある。
そのうちで私はひと際明るい星々を指でなぞった。
出来上がった名もなき星座。
それが今宵、私を導く目印となる。
-fin-
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