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私は、足下に転がるくしゃくしゃの手紙を見て、私の気持ちなんて、私の想いなんて、ゴミみたいに丸めて捨てられるくらいのものなんだって知った。それから昼休みが終わるまでずっと泣きじゃくる私の背中を早希がさすってくれた。
なんとか落ち着いて、教室に戻ると、拍手する音が響き渡った。野中君や男子数人が私に向かって手を叩いていた。
「本日のMVPの登場だー。ほんと、まじで笑わせてもらったよ」
野中君がそう言って笑うと、周りの男子も一緒になって笑っていた。教室の他の子もなにがあったんだって、みんな私達に注目した。
「川村、よくそんな顔で、太ってるくせに俺にラブレターとか渡せるよな。いや~、笑わすのは体型だけにしてくれよ」
野中君が私を指さし、おおげさにおどけると、早希や美雪ちゃんや周りの女子が「せっかく女の子が勇気出したのに、ひどい」と、一斉に抗議しだした。
そんな騒ぎの中、私はただ泣くまいと、必死で涙をこらえていた。ここで泣いたら、もっと自分が惨めになるのがわかっていた。
それからしばらくはずっと落ち込んでいた。家でも学校でも、作り笑いをする元気もなくて暗い顔をしていた。
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