タカシ

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タカシ

 昨日、僕にコクってきた子は一体どこが良くて僕を選んだのだろう。  下駄箱のかげから突然飛び出してきて、危ないったらもう。  テツヤたちが待っててくれたから良かったものの、先に帰られてたらたまったもんじゃない。  最近の若い女子は節操ないんじゃないか?  僕に変な噂がついてまわったらどうしてくれるんだ。  それに誤解なんかされてみろ。僕はあの子を絶対に許さない!  さて。今日の帰りはテツヤと二人だ。どうする?  時期尚早かもしれないが、昨日のことを振り払うためにも、よし、コクろう! ──僕……テツヤのこと……ずっと好きだったんだ。ダメかな? 「ちょ!」  テツヤが慌ててる。  「ちょ、ごめん。俺はトモダチとしてしか……ごめんな」  要するに振られた。明日からどうすれば……。  ええい、こんなことで離れるなんてしたくない。  何事もなかったかのように僕とテツヤとナオトの三人で、今まで通り一緒に帰ろう。  うん、それがいい。それでいい。  僕の恋は終わった。
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