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5話
学校が始まってから二か月が過ぎた。僕もこの二か月でクラスの半数とは喋れるような関係になり、友人と呼べるような関係になった人もできた。その親友の名前は中野 祐樹と言う。
「お前、好きな人いるだろ。」と帰り道に突然言ってきた。
「えっ!!」びっくりした。
「急に何聞いてくるんだよ。そんなことないよ。」僕は慌てて弁明をした。
「別に凛香のことなんて…」
「俺、凛香なんて一言も言ってないだけど。」
「あっ。」やってしまった。顔の顔が赤くなっているような気がする。
僕は少し恥ずかしがりながら「そうです。」と言った。
「いいな~。好きな人がいて。」と祐樹が言った。
「なんでそう思うの?もし告白が成功したら、こうやって一緒に帰る時間も減ってしまうかもしれないだよ。」と僕は食い気味に質問した。
でも、祐樹は明るい笑顔で、「だって、好きな人がいる飛鳥がめっちゃ楽しそうなんだもん。それに一緒に帰ることは少なくなっても休み時間喋れるし、俺たちの関わりがなくなることは一生無いんだから。」と言ってくれた。
僕ははっとした。
これまで、祐樹との関わりが少なくなることを恐れてあまり、恋について考えないようにはしていた。
でも、その考えは違ったのかもしれないな。
僕は明るい声で「そうだな。」と言った。
僕は進む。親友の祐樹と共に…
「それより。早く告白しろよ。凛香さんは待ってはくれないぞ。」
「分かってるよ。」
祐樹の好きな人いじりにはまだまだ弱いようだ。
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