1人が本棚に入れています
本棚に追加
時臣は一人ベンチに座り佐伯多美の証言について考えていた。
「浮かない顔ですね」若林はコーヒー缶を時臣の座るベンチに置いてから言う。
「まあな」
「確かに私も佐伯多美の証言には一貫性がないと思います」
「だろ。そもそもなんで佐伯多美は梶夫妻が樹海に入るのを見ることができたんだ? なんで彼女がそこにいる。それに米山義男の遺体を樹海に置いたのだって変だ。あの遺体があったからこそ俺たちは佐伯多美に近づく事ができたんだから」
佐伯多美は間違いなく何かを隠している。少なくとも、全て事実を告白してるわけじゃない。
時臣達が頭を悩ませていた数時間後、事件の証拠として警察に一つの動画が提出された。
それは事件を根本から覆すものだった。
最初のコメントを投稿しよう!