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デザート:季節限定ティラミス
「ウェイターさんご説明を」
「はい。こちらはイタリア産のマスカルポーネチーズと当店でオリジナルブレンドしたコーヒーを使用したティラミスとなっております。そこに春の象徴である桜の花びらを添えた一品です」
「どう?時間が巻き戻らないでしょ?」
私は腰を抜かして床に尻もちをついた。
「じゃ……じゃあ、お前は現実では生きているんだな?」
「ええそうよ」
次に私は怒りを爆発させた。
「このクソ女が!夢が覚めたら絶対に殺してやる!」
「あはは!怖い怖い!やっぱり私たちお似合いね!」
俺は目を閉じ、ぐちゃぐちゃになった感情で夢から覚めるように念じた。
そして夢から覚めるその瞬間にカスミが口を開く。
「あーあと、今度はちゃんと前菜の味覚えててね!次は感想聞かせてもらうから!」
ウェイターがゆっくりと私のもとへ近づく。
「お待たせ致しました。こちらは前菜のミニトマトのカプレーゼでございます」
ウェイターは火傷で硬くなった私のまぶたを持ち上げる。
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