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故に、僕は昼休みの学校みたいに騒がしいところには居られない。人が集まるところには、悪いものなんかも集まりやすいしね。
妖とか霊に話しかけられるとつい反応しちゃって、変人扱いされるのはもうごめんだ。
だから毎日のように、人気のないこの屋上で昼休みを過ごしていた。陰キャライフ楽しい。ぼっちって楽。素晴らしいと思う。
そんな訳で、今日も一人、購買で買ったカツサンドを静かに頬張る……つもり、だったんだけど。
不意に、屋上の扉が開いた。今まで僕以外にここにきている人なんて居なかったから、心底驚いた。
「あれ、桐山くん?こんなとこにいたんだ」
「………上川、くん」
見えた顔に思わず渋面になる。何で、よりにもよってクラスの陽キャが…。
上川颯。うちのクラスの陽キャだ。
運動は出来るわ、勉強も出来るわで向かうところ敵なしのモテモテくん。見た目もたいへんによろしくて、性格に嫌味もなく、二次元から飛び出してきたのでは、なんてこともまことしやかに囁かれているような彼が。
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