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陰キャ術師、陽キャと仲良くなる。
「暖かい。ご飯食べたらお昼寝しようかな」
呟いて、ふぅ、なんて息を吐いてみる。騒がしい校舎から抜け出してやってきたこの屋上。空の青さが目にしみる。
快晴だ。雲一つない。ほどよく暖かい気候。昼寝にはもってこいだ。
僕は桐山飛鳥。高校一年生。女子に間違われることも多いけど、れっきとした、普通の男子だ。
……いや、普通というのは少し語弊があるかもしれない。
僕は幼い頃から、マジョリティとは違う生き方をしてきてるから。
僕は、俗に言う、霊媒師とか陰陽師とか、そういうものを家業としてきた一族に生まれた。それを、「お役目」って呼んでるんだけど。因みに、一族の大半の人は、何かしらの職業の傍ら、術師として働いている。
高い霊力を持って生まれた僕は昔から、霊や妖を祓ったり従えたりするための修行を受け、一術師としての経験を積んでいた。
土日は基本、お役目に時間を割いて、結構そういう界隈では、僕のことを知ってる人も増えてきた。頼ってくれる人だって。ありがたい。
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