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朋美は家に帰るとお風呂に入り、十時頃になるとすぐに寝床についた。明日の朝も早い。朋美は夢の中で、凪と一緒に楽しそうに笑っていた。
朋美はまだ太陽が昇りきっていない頃に目を覚ますと、顔を洗い、朝の支度を始めた。朝ごはんのゼリーを口に詰め込むと、朋美はそのまま家を飛び出した。
この時間はまだ通勤ラッシュの時間ではなく、運が良ければたまに座れる。朋美は空いた席に腰を下ろすと、スマホを見ながら今日の練習メニューを確認していた。
その日も物凄いスピードで一日は終わっていき、朋美は帰路についていた。隣駅の友人と電車の中で別れ、朋美は一人になった。そして駅を降り、いつもの道を歩いていく。凪との分かれ道に着いたあたりで、急にスマホが鳴った。着信は母からだった。
「なんだろ、もう家着くのに」
朋美が「もしもし」と電話に出ると、母は今まで聞いたことのないような暗い声で
「凪ちゃんが、事故で亡くなったって」
と言っていた。
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