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しばらく泣いて落ち着くと、朋美は下の階に降りていった。
「長居してしまってすみません、手紙読ませていただきました。ありがとうございます」
その言葉に凪のお母さんは優しく微笑んだ。
「良かったら夜ご飯食べていかない?三人前作っちゃって…」
そこには綺麗に三等分に分けられた肉じゃがが置いてあった。
「いただきます」
朋美は凪の椅子に座りながら、凪の母と父と共にご飯を食べた。これが凪が毎日見てきた景色だと気づくと、朋美はとても悲しくなった。
肉じゃがは少ししょっぱかった。
朋美が帰る時には、凪の父と母が見送ってくれた。
「箱、開けてくれてありがとうね」
「いえ、こちらこそ。色々ありがとうございました」
「ううん、また来てね」
「はい」
朋美は解けた靴紐を結び直し、二人に背を向けてドアノブに触れた所で、「あっ」と声を出して振り返った。
「凪が使ってた便箋、もらってもいいですか?」
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