最終話 エピローグ

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最終話 エピローグ

 ええ、そうです、ずっと悩んでいました。子供ができないこと。女にとってこれほど重大な悩みはありませんからね。  いらっしゃいますか子供? へぇ、三歳ですか、一番可愛い頃ですね。  直也さん、旦那さんに申し訳ない、自分が死ねば彼も他の人と幸せになれるはずだ、なんて年中言ってました。  もちろん慰めましたよ、みんな腫れ物を触るように扱ってましたけどね、今回の旅行だって彼女を元気づけようって私が企画したんですから。  直也さんですか? 見ての通り完璧な旦那さんですよ。美男美女のお似合い夫婦、それが自殺なんて。わからないものですね。  まだ自殺とは断定していない? どうしてですか? 服を着たままで、サウナ室に七輪と入ってたんですよ、百歩ゆずって裸でサウナを楽しんでいたなら分かりますけどねえ。  スマートフォンですか? もちろん構いませんよ、妹とはたまに電話したり、最近は飲みにもちょくちょく行きましたけど。  なんですかこれ、家族がなにか疑われてるんですか?  念のため、そうですか。うちの旦那のスマートフォンも押収した? いえ、なんの問題もありません、だけど、私たちはしょっちゅう喧嘩していますからねえ。  もしかしたら妻の殺し方なんて検索してるかもしれませんね。
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