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「……ほんと、貴方と居ると調子狂います」
「ふふ、特別ってこと?嬉しいなぁ」
「お気楽ご都合解釈頭…」
憎まれ口を叩けば、彼はけらけらと笑いながら体重をかけてきた。
「重いです」
「まぁまぁ。いいじゃんいいじゃん。甘やかしてくれるって言ったじゃない」
楽しそうな声。いや確かに言った。言ったけども。
「はぁ…いいですけど…」
「んふ、ありがとぉ」
ふわふわと笑う声。布団越しでも伝わってくる子供体温が心地いい。
「……先輩、明日劇やるんでしたっけ」
「そうそう。まぁ大した役じゃないし、見に来なくても大丈夫だよ~」
「気が向けば行きます。気が向けば。……ちなみに、どういう話ですか」
「んーっとねぇ、ロミジュリ改造版…的な?」
疑問形の答え。「ロミジュリ、」と鸚鵡返しに呟いて。
「懐かしいですね」
「あー、中学のね~。確かに懐かしい」
のんびりと口にした端的な感想に、からからと笑いながら同調する先輩。先輩と恋人同士になったきっかけは、僕が中二のときの文化祭での劇だった。演目は「ロミオとジュリエット」。
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