ーーただ、感じて

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「ん、ふ……んぅ……あっ……」  ひたりと穂乃果の蜜口に玲司の丸みを帯びた尖端が充てられた。  クル――、そう思った瞬間に処女ではなくなったがまだまだ狭い穂乃果の蜜路にゆっくりと玲司の熱棒が入ってくる。そっと、穂乃果を気遣うようにゆっくりと。 「あぁん……はぁっ、はっ、んんぅ」 「うん、ちゃんと奥まで入ったね。どうかな? 痛くはない?」 「……い、たく、ないです」  玲司は深く繋がったまま綺麗に紅潮した穂乃果の頬を撫でる。 「じゃあ、気持ちいいのかな?」 「っそ、それは……」  なんて言っていいか分からない。これは世で言う気持ちいいなのだろうか。経験の少ない穂乃果にはいまいち分からない感情だ。でも自分の中を埋めてくれているこの熱さはなんだか心地が良かった。  大きく足を広げて恥かしい格好を好きでもない男に晒しているにもかかわらず、とても安心できているのか身体を任せてしまっている。玲司が触れてくれている頬が熱い。 「あ、きゅうって締まった。気持ちいいんだね、でもそんなに締め付けちゃ僕が我慢できなくなってしまうよ」 「え……あっ、あぁっ……やぁっ、あっ……」  玲司は穂乃果の耳元に「動くよ」と一際響く低音ボイスで囁き、ゆっくりと動き出す車のように腰を優しく振り出した。味わうようにゆっくり、ゆっくりと。  首筋にかかる玲司の息のリズムがせつなげに速かった。肌に当たる吐息が熱くて身体が燃えてしまいそう。それでも逃げる事はできずただひたすら玲司からあたえられるゆるやかな快楽に身を任せた。
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