ーーただ、感じて

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「穂乃果……」  息の詰まった苦しげな声で穂乃果の名前を何度も呼ぶ玲司が背中に覆いかぶさってきた。穂乃果が潰れないよう体重は掛かっていないが押しつぶされてしまいそうな密着感。肌がしっとりと汗で濡れているからかひときは密着感がすごい。何度も何度も熱棒を最奥まで突き上げられ肌の当たる音が大きくなっていく気がした。 「んんっ、はっ、あっ、んぅうっ」 「穂乃果、それじゃ苦しいだろう、顔を上げて」  枕を抜き取られベッドの下に投げ捨てられてしまった。両手は必死で揺さぶられる身体を支えなくてはいけない。もう顔を、声を隠せるものがない。 「あぁあっ、もう、やっ……あンっ……だめですっ、あぁぁあ……!」 「ん……穂乃果のその喘ぎ声でイッてしまいそうになる。可愛いな」 「はぁあんっ、だめ、両方はだめですっ! ンあぁっ!」  上半身を起こされ下は繋がったまま、揺れていた乳房を鷲掴みされた。揉まれながら尖端を弄られ気がおかしくなりそうだ。玲司は乳首を両手で弄っているにもかかわらず、器用に腰を振り続けてくる。 「こ、んなっ……あっ、も、おかしくなりそうです……やぁあ」 「うん、おかしくなっていいんだよ。そういうときはイクってちゃんと言いなさい」 「あぁっ、あっ、はっ、い、イク……イッちゃいそうです……!」  打ち付けられるスピードは増し、もうなにがなんだか分からない。打ち付けられて生まれる快感も、指で摘まれて弾かれるる快楽も、身体全体に襲い来る愉悦も、全部いっしょくたに混ぜられて穂乃果を呑み込んでいく。
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