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最初で最後
用事を済ませ、また着替えて大広間へと向かう。
今度は淡いブルーのドレスにした。シンプルだけど、銀色の糸で刺繍されたバラがこのドレスの魅力。着る人の魅力を最大限に引き出すものだった。
「ねえ? あの公子殿下、どうしてこちらへ?」
「――やっぱり」
大広間から少し離れたところには湖があり、そこでそこで1人、ぼっーとしていると後ろからあの声が聞こえた。
「シャルル殿下」
「ゆっくり、話してみたかったのですよ。我が国でも有名ですから」
「私もです」
「お名前は?」
「マリー・ヴァランティ―ヌ・ド・オルレアンですわ」
「オルレアン公爵令嬢ですか。れっきとした名門貴族ですね」
「ええ、でもそれだから苦労も沢山。それは殿下だって、ご存じでしょうが」
「そうですね。
「殿下、もう逢えないのですか――?」
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