回想

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 それから、しばらくしたとき。  私は写真部の仲間たちにアルバムを見せた。宝物を自慢する得意げな気持ちで、ワクワクとみんなの反応を待っていた。  しかし、仲間たちからは期待していたような反応はもらえなかった。 「え、何この写真」 「うっわ、撮り方下手すぎ」 「ビミョー」 「うーん、悪くはないんだけど……」  そんな言葉たちを聞いた途端、私の期待で膨らんでいた心が風船を割るように派手に割られた。  その後、気づいたら私は家の部屋で、電気も付けずに薄暗い部屋でアルバムを眺めていた。  急に、「綺麗なもの」で溢れていたはずのアルバムがみすぼらしく見えるようになった。どの写真もただの紙切れとなり、くすんで見えるようになった。  私は涙を流すことも、怒りの炎を燃やすこともしなかった。  理由も分からずに、ただただ心にぽっかりと穴が空いたような気持ちを持て余していた。  その時から、そのアルバムは引き出しの奥にしまわれるようになった。  そして、私は周りの目から見て綺麗なものの写真を撮るようになり、懸命に技術も磨いた。そうして、いつしか部内でも随一のカメラの腕を身に着けたが。心に空いた穴は、いつまでも埋まらずに空虚に冷えていた。  それでも、私は写真を取り続けた。何か忘れているものがあるような気がしても、何かを置いていっているような気がしても、気にせず写真を撮って過ごした。  そうして時が経ち、私は高校生となった。
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