プロローグ

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プロローグ

「あら?もしかして、とうとう?」  私は手元のアルバムを見て、感慨深く呟いた。  随分と厚くなったアルバム。ところどころ傷みながらも、それすら味として愛おしく感じるアルバム。  そのアルバムの空いているスペースが、もう、あと一枚分しかない。 「そっか、そっかー…」  私はしんみりとページを戻り、最初から写真を見返す。最初の頃は中々に拙い技術で撮られた写真ばかりだが、それでも今となっては私の目には一つ一つが最高の一枚に感じる。  ──やっぱり、最後の一枚はこのアルバムの終わりを飾るのにふさわしい、最高に「綺麗なもの」にしたい。  私は写真を一枚一枚辿りながら、このアルバムに込められた今までの思い出を振り返った。
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