寒暖差アレルギー

1/1
43人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ

寒暖差アレルギー

 外気温による寒暖差でさらさらとした鼻水に悩まされる今日この頃。 しかも、社内の自分の席はやたらと空調が効きすぎ、壁からの寒さも伝わる場所。 何故か1年中寒いその席。 席替えする前に座っていた人も言っていた。 「どう言うわけかあの席はとても寒かった」と。 肩が冷えないようにしたり、1枚多めに何かを羽織ったり。 そんな対策をして少しでも仕事に支障がないよう会社で過ごし、 1日を終える。  久しぶりによく晴れた日の夕方。 帰りの電車はエアコンが効きすぎていてとても寒かった。 外気との差があり、ツーっと鼻水が出そうになり咄嗟にハンカチで顔をおさえた。 その時、ふと感じた違和感。 寒さとは別の刺すような痛いようなそんな感じ。 周りを見渡せる無いほど車内は混んでいる。 だから振り返ることはできない。 確かに後ろの方から感じるその視線。 なぜか直観的に生きている人間のものとは違う感じがした。 なんとも言えないジレンマを感じながら電車の外を見たらそこにはお墓があった。 あまりのタイミングに余計に気分を低下させた私。 しかしその後、急にその視線を感じなくなった。 あの視線は一体なんだったのだろうか。 感じることはあっても視えない私。 何なのかを確認することはできない。 こんな時友人と一緒にいたら…… などと考えたが、きっと一緒にいるとそんなことは起こらないのだろう。  あれはもしかしたら、誰かに憑いてきた霊が墓に吸い寄せられたのだろうか。 それともそこへ帰って行っただけなのか。 そんなことを考えていると乗り換え駅に到着。 あまり深く追及するのは止めて足早に階段を登った。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!