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サクラスーパーオー
第54回皐月賞。
このレースにはちょっとした思い出がある。
皐月賞は競馬好きな方ならご存知のダービー（東京優駿）、菊花賞と並び中央競馬の三冠レースと言われているレース。
私自身は競馬が好きでも嫌いでもない。
しかし身近に競馬ファンがいる影響で時々場外馬券場に連れて行かれる、という何ともはた迷惑な事態がよく発生していた。
その始まりがこのレース。
フラッと浅草まで行くと言われ連れて行かれた先が浅草の場外馬券場。
下町色満載のこの街は、日曜日は昼間から酒を飲んでレースを観戦している人や、今では人力車で観光する人やレンタルで着物を着て街で過ごす人もいる。そんな街である。
その日は暑くもなく寒くもない日で、外を歩くには気持ちの良い日だった。
その日はAさんと一緒に食事して、外に出た時に急に友人が競馬新聞を見ながら聞いてきた。
「どれが来ると思う？」
馬の名前も何も聞かされず、ただ１から18まであるとだけ言われたのだ。
「７、それと１」
そう答えた。
すると渋ーい声でこんなことを宣った。
「７は買えないな」
じゃあ聞くな！ とは口には出さなかったが心の中では大声で叫んでいた。
どうやら競馬好きな友人に言わせると、その馬は人気もないし良さそうに見えないので買えないという事だった。
何が良さそうなのか蘊蓄を垂れていたがその時は心の中で叫んだ余韻でちっとも頭に入ってこなかった。
その後、場外馬券場で馬券を購入してからその場で備え付けのテレビ、ではなくどこかの電気屋さんのテレビでその様子を見ていた。
すると、友人の買わなかった７番が２着になってしまったのだ。
９番人気のその馬の名前が
『サクラスーパーオー』
１着はその時無敵だった『ナリタブライアン』
図らずも的中させてしまったのだが、友人は馬券を買っていなかった。
ただただ残念がるだけという結果に終わった。
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