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2回目の出会いは引っ越し先の公団タイプのマンションだった。
少々年季の入った建物ではあったがまずまず住みやすい物件だった。
あれは台風ばりに雨の激しい日の夜のこと。
窓は閉めているはずなのに不自然にカーテンが揺れているのが目に入った。
まさか窓を閉め忘れたのかと思い確認しに行くと窓の下の方に白い塊が動いていた。
小さくて白いそれはトカゲではなくヤモリだと直感的に思った。
どこから入ってきたのかもそもそと動いていたそれ。
つぶらな瞳でこちらの様子を伺うように私を見ていた。
しかし私は雨が降っていて可哀想だと思う反面、外に出ていただくことにした。
今度は本当に掃き出しの窓を開けてベランダに出てもらった。
それは虫嫌いな私が寝ぼけて夜中に狭い家の中で遭遇したく無かったからに他ならない。
ヤモリらしき生き物は名残惜しそうに外に出てくれた。
私は後になってからヤモリを逃してしまったことに後悔した。
せっかくだからいて貰えば良かったかな、守ってくれているのだから、と。
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