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それから数日後。
家でAさんと会った時に夕方のニュースを見ようとテレビをつけると、見覚えのある赤い橋の映像がテレビに映し出されていた。
何となく見ていると、どうやらそこには落武者伝説なるものがあるらしく今でもその橋の下で落武者が刀で斬り合いをしていると言う話と、浪人風の武士が斬り合っているイメージ映像が流れた。
私たちは二人で顔を見合わせた。
「あそこって、この前通ったところだよね……」
「そうだね、どう見ても同じだね……」
「渡らなくてよかったよ……怖い、怖い」
Aさんはそんなことを言っていたが私が本当に怖いのはそこではなかった。
確かに下にある川に今でも落武者がいるというその上の橋を渡るのは怖い事だ。
しかし本当に怖いのは偶然つけたテレビにタイミングでも見計らったかのようにその落武者伝説のことを知らされたことだった。
しかもあの場所を通った二人がたまたま一緒にいる時に。
誰かが親切に教えようとしてくれたのだろうが、その誰かを考えたくはない。
テレビでその話を観終わった後、一瞬背筋がゾーっとしたものだ。
こんな答え合わせのような出来事。
しかしこれは私の日常の一コマだったりする。
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