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それから月日が流れたある日のこと。
それは出向先から一時的に戻って来る社員からの、報告という名の愚痴を聞くと言う話になった時だった。
中堅社員はこんなことを言い放った。
「嫌だから絶対聞かない」
しかし、実際に戻ってきた本人を目の前にしたら猫撫で声でこんなことを宣った。
「大丈夫、大変なんだって」
「そうなんですよー、聞いてくださいよー」
中堅社員の心から心配していましたみたいな態度に愚痴り始める出向社員。
そんな会話がなされていたのを聞いて背筋がゾゾッとした。
しかしそれから半年後、その出向社員は出向先から戻ってきたが呆気なく退職してしまった。
その半月後、攻撃対象にされていた契約社員さんがやはり退職。
その契約社員さん。
上司に認められる程仕事ができる人ではあるが、未経験案件に関して経験者である中堅社員に質問するといつもこう言われていたという。
「今、メールを送らなくてはならないので……」
そう言って後で教えてくれるわけでもない。
こんなことが頻繁に続いたら気持ちの良い人はいないだろう。
実はその1ヶ月前には数ヶ月前に他部署から移動した社員がいたのだが、同じグループになったその数ヶ月で退職してしまったのだった。
そして、その移動してきた社員は移動前に中堅社員と他のプロジェクトで一緒に仕事をしていた。
何故かその中堅社員と関わった人が立て続けに3人も退職。
本人はいい人を演じているつもりらしいが、本性はどうやら滲み出てきて隠せていないようである。
それを間近でみていた私は、もちろん極力関わらないよう努めている。
やっぱり生きている人間が1番怖い……。
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