感じる視線

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感じる視線

 風呂に入って髪を洗っている時、何故か背後から覗かれている気がしたことはないだろうか。 誰もいないはずなのに誰かに見られている感じ。 それも薄寒くて気持ち悪い感じの精神的に良くない感じがする視線。  実家の風呂には、外に面した窓がある。 風呂場は道に面しているが、窓は少し高い位置にある。 道との境にはフェンスもあるため乗り越えなれば入って来られない。 だからわざわざ高い位置から覗こうと思わなければ、覗けないはずなのである。    その風呂場は窓を背にするように蛇口とシャワーが位置している。 大人が2人入っても十分広さがある風呂場。 その妙に広い空間もいけないのだろう。 時折、何故か覗かれている気がする。 窓のある方が気になる。 しかし風呂場の横の道はそこそこ人通りがあり、表通りからも近いので何かしていればすぐに気付かれてしまう場所である。 シーンと足音も車の音もしないのに覗かれている気がして振り返っても人影など見えるはずがない。 気味が悪くてバタバタと風呂を出て、自分の部屋へと急いだ。
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