感じる視線

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 そんなことを思い出していた時のこと。 生きている時に幽霊が見える人は死んでからも他の幽霊が見えるけれど、見えない人は死んでからも見えない。 そんな話の流れから、なぜか幽霊の出歯亀の話になった。 風呂場で覗かれていた気がする話をすると、話していた相手はこう言った。 「出歯亀するようなやつは生きてる時、本当は前から見たくても見れなかったから死んでからは前から見てるらしいよ」 などとそれらしきことを言うのだ。 「だから、よく風呂場で後ろから見られてるような気がするけどそれ気のせいで、ガッツリ前から見られてるんだって」 「うゎー、気持ち悪い…………」 あの頃のあの怖かった気持ちを返して欲しい。  人は先入観から覗きは、外に面している窓からされていると思ってしまう。 盗撮などはまた違うのだろうが、幽霊は盗撮などしないだろう、多分。 ある意味自由に動ける彼らは欲望のままフラフラしているようだ。 しかしなんとなくモヤモヤする気持ちは否めない。 馬鹿は死んでも治らない、ようだ。
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