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横には幹線道路が通っていて車が忙しなく走っている
アスファルトの上をタイヤが高速で転がる時の音はそれなりに耳障りなものだが公園内の木々が並び立つ事によって消音効果があるのか道路の騒音は微かに漏れ聞こえる程度でしかない
よって、二人が作り出している甘い世界は未来に向かってどんどん形成されていく。
かに思われたのだが・・・・
「ねぇ見て、桜の花びらが降ってきた。綺麗・・桜の妖精さんが私達を祝福しているみたい♪」
なんとなく日常会話で”妖精さん“というワードが出てくると『私って(不思議ちゃん)=(可愛い)でしょ♪』と言う方程式を地でやっている感が漂って来る
もし、そうだとしたら(祝福)=(結婚)のようなプレッシャーをかけて来ている感も凄まじく、しかも不思議ちゃんだからこのぐらいは許されるでしょ?っていう感じでヤンデレという強キャラへの進化パターンも見えてくる、、、気がするものではないだろうか?
それを感じ取ったかはわからないが、クイっと人差し指と中指でメガネを上げるアキ
「ハル、よく見てごらん。あれは桜じゃないよ梅だよ。いいかい、そもそも今はまだ2月なんだから、ここ関東で桜が咲くわけないよね。」
急に口調が早くなるアキに少し戸惑うハル
「え、でもここ桜並木公え・・」「確かに!この公園は桜並木公園と名付けられてはいる!」
ハルの言葉を制した時、アキのメガネがキラン!と輝きだして眼が見えなくなる
そして、バッ!と右腕を弧を描く様に空に掲げ上げながら語りだす
「だが、桜並木と冠名を付けられているからと言って桜の木だけで構成されているわけじゃない!そもそも公園と言うものは数多の草花にアスファルトで作られた歩道!僕達が座っているこのベンチと複数の物で構成されているものなんだ!だから桜並木公園と名付けられていても梅の木があっても不思議ではないんだ!!因みにあれは桃の木、その隣に生えているのが桜だ!今咲いている梅の花びらは先が丸く、次に咲く桜の花びらの先は割れていて桃の花びらは尖っている。故によく見れば簡単に見分けられる。そしてこれらの木は開花の時期が微妙にズレながら重なっている。梅は2月上旬から3月下旬、桜が3月中旬から5月上旬、桃が3月下旬から4月上旬。それを利用して長く華やかな季節を楽しむ為に梅、桜を混在させて更に雅さを増す為に桃を植えているんだ。わかるかい?この美しい景色は先人達の知恵と努力によって生み出された風景なんだ!!!」
「わ・・・わぁぁ・・・凄ぉいぃ・・・・・、」
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