週末

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「明日、みんなに謝らないと。気を遣わせたよね」 「そんなに気にしてないよ。でも、西部さんはすごく心配してたと思う」 「そうだね、あの子にはお菓子くらい買ってあげないと」  再び訪れる沈黙。公園で遊んでいた子どもたちはいつの間にかお家へ帰ったようだった。セミの鳴き声だけが響く。 「悠人…… ごめん」 「……うん。分かった」  何に対しての謝罪か、言わなくても彼にはちゃんと伝わった。胸が締め付けられる思いがした。でも、これは私が受け止めなきゃいけない痛みだ。  いつまでも彼の気持ちに甘えて、温かいところだけ受け取って…… それは、ズルだ。  恐れていたような喪失感は存外なかった。あれだけ避けて通ってきた道なのに、不思議と彼とはこれから先も友達でいられる気がした。それが勘違いでありませんようにと、心から願った。 「葵、大丈夫だから」 「うん」 「それじゃあ、トゥッティで言おう」 「いいよ」  悠人が息を吸う、私も息を吸う–––– 「また明日」  二人一緒に言った。  二人一緒に、笑った。
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