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「お母さん!あそこにデッカイお肉があるよ!」
幼かった私は兄妹たちと比べて出来が悪かった、バッタいっぴき捕まえるのに丸一日かかったこともある、ある日そんな私の前にデカい鶏肉がぶら下がった。
私は突っ立っている兄妹達を置き去りにして一直線に鶏肉に駆け寄った。
「馬鹿!何やってんの!?」
母猫が飛びかかって私を止めたけど、鶏肉を取られまいとした私は必死で蹴った、自分の母親を…。
ガシャン!
その音は今でも覚えている、わたしと母の間に突然現れた鉄格子、驚きと諦らめの表情が入り混じったような、母の白い…白い?
そうだ、私の母猫は、輝くような白ねこだった。
目の前に居る白ねこの…ような。
「…おかあさん?」
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