うちの子の親の話

19/23
前へ
/23ページ
次へ
「やっぱりそうだったのかい…」  白ねこは何処か腑に落ちた顔で優しく見つめてくれて居たけど、私は後悔と懺悔が溢れ出した。 「お、お母さん、ごめ、ごめんなさい、わたし、わたしが…」  あの日、母の忠告を守って慎重に行動していたら…。  鶏肉を取られまいと暴れなければ…。  私がもっと上手に狩りが出来ていれば…。 「ごめんなさい」  人間に捕まった母は子どもの産めない体にされたという、何でそんな酷いことを…あのまま私が捕まっていたら、私がそうなるはずだった、母は私の身代わりとなったのだ。  いくら謝っても取り返しのつかない事に、どうしようもなくてまた「ごめんなさい」と口にした。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加